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対象設備実例手順自社での効き方検証ログ次の一手
Checked 30 Sep 2026
Syuri-s Members  /  Tax Guide  /  30 Sep 2026
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工業会証明書で一括損金にできる設備 加盟店向けガイド

中小企業経営強化税制A類型(生産性向上設備)の対象になり得る設備を、鈑金塗装・整備工場向けに、塗装ブース・リフトを中心に洗い出した。 4本の並列調査のあと、別の検証役が一次資料(中小企業庁の手引き・Q&A・工業会リスト、国税庁、財務省大綱)で17項目を突き合わせた。
「対象になり得る」と「実際に証明書が出る」は別物である。後者は機種ごとにメーカーが工業会へ申請して初めて決まる。

2027.3.31
取得・事業供用の期限
160万円
機械装置の下限
40万円
器具備品・工具(R8で30→40)
60万円
建物附属設備
10%
税額控除(資本金3,000万円以下)
Conclusion
  1. 大型ブースもリフトも「機械装置」として買えば、対象になり得る。 国交省の自動車整備業ガイドラインに、支援措置で導入した機械装置の例として、リフト(200〜300万円)と塗装乾燥ブース(1,000〜2,000万円)が載っている。リフトは日本自動車機械工具協会(JASEA)の証明書記入例そのものである。
  2. 塗装ブース単独で即時償却を使った認定事例が、国交省の資料に実在する。 栃木県の認証工場(従業員5名)は、導入設備「塗装ブース」だけで「法人税の即時償却」を使っている(令和2年4月認定)。リフトでも秋田県の指定工場が即時償却を使っている。一方、ブースについて「証明書が出る」とサイトで明記したメーカーは見つからなかった。安全自動車は2026年5月の記事で、リフト等を経営強化税制の対象設備の例に挙げている。機種ごとに出るかどうかは、見積の段階でメーカーに書面で確認するのが唯一の確定手段である。
  3. ブースやリフトの基礎・ピット・建屋一体の部分は、対象外になる可能性が高い。 構築物と建物は、A類型の対象資産に入っていない。見積書で「本体・据付試運転費」と「基礎・躯体工事」を分けて書いてもらい、区分は顧問税理士に確認する。
  4. 繰越欠損金がある期に即時償却しても、税は減らない。 損金が増えて繰越欠損金に変わるだけである。税額控除10%も、法人税額がゼロなら使えない(控除しきれない分は1年だけ繰越)。どの期に事業供用するかが、効果を決める。
期限は2027年3月31日。今日から約6か月。 「2028年3月末まで延長」とする民間記事があるが、一次資料では確認できない(R8大綱にも延長の記載なし)。 順序は「メーカー経由で工業会証明書 → 経営力向上計画を地方運輸局へ申請 → 取得・据付・試運転(事業供用)」が原則。先に買った場合は、取得日から60日以内に申請書が運輸局へ到達し、かつ事業供用した事業年度内に認定を受ければ救済される。
Equipment

設備別の判定表

判定は「制度の要件と一次資料から見て対象になり得るか」。最終的には、機種ごとの証明書と、税理士による資産区分の判断で決まる。下限額は1台(通常1単位で取引される単位)あたり。据付費・試運転費は含めてよい。補助金を使う場合は、圧縮記帳した後の額で判定する。

設備判定資産区分(想定)下限証明書の出どころ条件・注意
塗装・BP
塗装乾燥ブース(大型)即時償却の認定事例あり対象可の見込み機械装置160万円機械装置「53 自動車整備業用設備」の枠。発行は5団体のいずれか(メーカー経由)国交省の認定事例に、ブース単独で即時償却を使った例(栃木)と、ブース増設で即時償却を使った例(福岡・1台15分短縮)がある。建屋と別に据え付ける独立型が前提。建屋一体型・ピット式・基礎工事は建物/構築物に分かれ、その部分は対象外になり得る。欧州輸入機は代理店経由の申請。
プレップステーション・下地ブース条件付き機械装置160万円同上ブースと同じ扱い。単体で160万円に届くかが分かれ目。
ミキシングルーム要確認機械装置か建物160万/60万円不明部屋として建て込むと建物扱いになり、対象外寄り。
赤外線・遠赤外線乾燥機要確認機械装置160万円不明単体で160万円に届かない機種が多い。
シンナー・溶剤再生機要確認機械装置160万円不明(メーカー確認が必要)生産性の指標を何で示すか(回収率・処理時間など)をメーカーに確認する。
調色機・ガン洗浄機・集塵機要確認器具備品か機械装置40万/160万円不明単体では下限未満のものが多い。ブースの付属品として一体で取引されるなら合算できる。
フレーム修正機・定盤要確認機械装置160万円不明(53の5団体のどれか)メーカーに、どの団体で証明書を取るかを確認する。
三次元計測機対象可の見込み器具備品(測定機器)40万円JASEAガイドラインに導入例あり(400万円)。販売開始6年以内が条件。
スポット・アルミ・スタッド溶接機要確認機械装置か工具160万/40万円不明A類型で対象になる工具は「測定工具・検査工具」だけ。溶接機を工具に区分すると対象外。
リフト・整備・検査
2柱・4柱・シザース・門型・フラットリフト対象可の見込み機械装置160万円JASEA(記入例がリフト)ガイドラインに導入例あり(200〜300万円)。リフトで即時償却を使った認定事例あり(秋田)。旧モデル比で年平均1%以上の生産性向上を示す根拠が必要。下限は1台ごとに判定する。2柱リフト2台で合計180万円でも、1台が160万円未満なら対象外(バンザイ掲載の制度資料の例)。
埋込式・ピット式リフト条件付き本体=機械装置/躯体=構築物・建物160万円JASEA本体と、ピット・コンクリートの躯体を分けて計上する。躯体は対象外になり得る。
アライメントテスター対象可の見込み器具備品(測定機器)40万円JASEAガイドラインに導入例あり(500〜600万円)。
複合試験機・ブレーキ/ヘッドライトテスター対象可の見込み器具備品40万円JASEAガイドラインに導入例あり(トリプルテスター200〜300万円)。ライン一式か個別かを整理する。
門型洗車機対象可の見込み機械装置160万円53の5団体のいずれかガイドラインに導入例あり(400〜500万円)。
タイヤチェンジャー・バランサー条件付き機械装置か器具備品160万/40万円JASEA想定単品で下限に届かない機種は対象外。
エーミング(ADAS)機器要確認器具備品40万円不明新しい分野のため、比較できる旧モデルが無いと証明しにくい。
スキャンツール・診断機要確認器具備品40万円不明40万円未満の機種が多い。その場合は少額減価償却資産の特例の方が使いやすい。
コンプレッサー・ドライヤー・エアコンガス回収機要確認機械装置160万円不明メーカーに確認する。
建物附属設備・エネルギー・ソフト(作業場で使うもの)
業務用空調(作業場)対象可建物附属設備60万円日本冷凍空調工業会ほか販売開始14年以内。事務所用は対象外。作業場内の休憩室・トイレの設備は対象になり得る。
LED照明(工場)対象可建物附属設備60万円日本照明工業会1単位60万円以上が必要。
受変電設備(キュービクル)対象可建物附属設備60万円日本配電制御システム工業会ブース増設で電力容量を上げる場合の候補。
太陽光発電(自家消費)・蓄電池条件付き機械装置か建物附属設備160万/60万円太陽光発電協会・電池工業会売電が発電量の2分の1を超えると対象外。認定申請時に報告書が要る。
整備管理・見積・基幹ソフト条件付きソフトウェア70万円情報サービス産業協会(JISA)「設備の稼働状況などを集める機能」と「分析・指示する機能」の両方が必須。発行に4〜6週間。コグニセブンの可否は不明。
対象外(はっきりしているもの)
車両(積載車・代車・営業車)対象外車両運搬具——Q&A共-27で明記。
構築物(舗装・フェンス・ピット躯体・基礎)対象外構築物——A類型の対象資産に入っていない。
中古設備・展示機対象外———新品のみ(Q&A共-5)。
事務用PC・複合機・本店/福利厚生の設備対象外———生産等に直接使うものに限る(Q&A共-2)。
リースで入れる設備条件付き———所有権移転外リースは即時償却できず、税額控除のみ。オペレーティング・リースは対象外。
Evidence

ブース・リフトの実例と、資産区分の根拠

国交省が公開している「経営力向上計画 認定事業者の取組事例」(自動車整備業)から、ブース・リフトの例を原文で確認した。即時償却は経営強化税制でしか使えない(A類型の工業会証明書か、B類型の経産局確認書が必要)。資料からは、どちらの類型だったかまでは分からない。

事業者導入設備利用した支援措置読み取れること
松原自動車整備工場栃木県・指定工場・5名・令和2年4月認定塗装ブース法人税の即時償却ブース単独で即時償却。いちばん直接的な実例。
福岡県の認証工場5名・国交省ガイドライン事例5塗装ブース増設、排気装置、調色システム税額控除・即時償却どの設備にどちらを使ったかは書かれていない。
相馬自動車整備工場秋田県・指定工場リフト、フロンガス交換機法人税の即時償却リフトで即時償却を使った例。
三昌自動車愛知県・指定工場塗装ブース、エーミングツール税額控除税額控除は、証明書の要らない投資促進税制(7%)の可能性もある。
和歌山県の指定工場国交省ガイドライン事例6埋め込み式リフト、ヘッドライトテスター税額控除同上。埋め込み式で即時償却を使った例は見つからなかった。
53番の中身耐用年数表「53 自動車整備業用設備」(15年)は、2008年に旧「自動車分解整備業用設備」と「洗車業用設備」を統合したもの。品目の細目は無く、ブースもリフトも名前は出てこない。
業種の判定どの業種用の設備かは「通常どの業種用として使っているか」で判定する(耐用年数通達1-4-2)。BP工場で車の修理に使うブースは53番と読むのが自然。
国の扱い国交省ガイドラインは、支援措置で導入した設備の例として、塗装乾燥ブース(1,000〜2,000万円)とリフトを「機械装置」の欄に載せている。
基礎・ピットプレス・クレーンの基礎は原則として機械装置に含める。ただし大型プレスラインのピットは建物に含める(通達1-4-7)。リフトのピットに直接の規定は無い。躯体は建物側と見られる恐れがあるので、見積で分けておく。
建物附属設備対象は固定資産税で償却資産として課税されるものだけ。家屋として評価される部分は対象外(中小企業庁Q&A)。建屋と一体のブースはここで外れやすい。
見つからないものブース・リフトの区分を直接判断した国税庁の質疑応答や裁決は見つからなかった。「ブースは建物」とする個別回答(税理士ドットコム)はあるが、根拠条文が示されておらず採らない。
Procedure

手順と所要期間

税制は「事業供用した日が属する事業年度」で使う。自社の決算月を確認し、どの期に供用するかを先に決めておく。例:12月決算なら、2026年12月31日までの供用は2026年の期、2027年1〜3月の供用は2027年の期になる。

1

見積時にメーカーへ書面で確認

①工業会証明書を出せるか ②どの団体で取るか ③型式の販売開始年。基礎・躯体工事を別の行に分けてもらう。

見積と同時
2

メーカーが工業会証明書を取得

設備を買う側(各店)は申請しない。JASEAは手数料3,000円(会員1,000円)、目安7営業日。団体により数日〜2か月。同じ設備を同じ年に複数台買うなら1枚でよい。

数日〜2か月
3

経営力向上計画を申請

自動車整備業の窓口は国交省。本社所在地を管轄する地方運輸局に出す(九州の加盟店は九州運輸局 自動車技術安全部整備課)。証明書を添付する。

認定まで1か月が目安
4

取得・据付・試運転

「事業供用」は、据付・試運転が終わって稼働した日。先に買った場合は、取得から60日以内に申請書が運輸局に届くこと。

期限 2027.3.31
5

決算で選ぶ

即時償却か、税額控除10%か。どちらか一方。税務申告書に認定書の写しと証明書の写しを添付する。

決算時
Your Case

自社での効き方

資本金3,000万円以下の中小法人を想定する(3,000万円超1億円以下は控除7%)。自社への当てはめは、必ず顧問税理士に確認する。

即時償却取得価額の全額を、その期の損金にする。課税所得がある期なら税が減る。繰越欠損金がある期なら、繰越欠損金が増えるだけで、効果は将来の期へ回る。
税額控除10%取得価額の10%を法人税額から差し引く。上限は法人税額の20%(投資促進税制の控除と合算)。超えた分は1年だけ繰り越せる。法人税額がゼロの期は効かない。
併用同じ設備で複数の特別償却・税額控除は使えない。設備が違えば、別の制度を組み合わせてよい。
投資促進税制証明書が取れない機械装置(160万円以上)の受け皿。30%の特別償却か7%の税額控除。期限は同じ2027年3月31日。
少額減価償却資産R8で40万円未満に引き上げ(3年延長)。年300万円まで一括損金。診断機・小物機器向け。引上げの適用開始日は附則が未確認。
補助金と併用ものづくり補助金・省力化補助金で買った設備も対象。ただし圧縮記帳後の額で下限を判定する。補助金側が併用を制限する場合は、公募要領で確認する。
判断の軸。 税額を減らしたいなら、課税所得が出る見込みの期に事業供用を合わせる。繰越欠損金を使い切る前の期なら、即時償却を急がず、普通償却や控除の繰越と比べる。 一方、期限(2027年3月31日)を過ぎると、制度そのものが使えなくなる。延長を前提にしない。
Verification

検証ログ(17項目)

並列調査で出た主張を、独立した検証役が一次資料で判定した。正しい10件、正しいが補足ありの3件、表現・条件を訂正した2件、誤り1件、未確認0件(C8は原本の読み直しで訂正付きへ)。訂正は本ページの記述に反映済み。

#主張判定確定した内容
C1期限は2027年3月31日正しい手引き(R8.4.1版)p.2。「2028年3月末まで延長」は誤り。
C2工具・器具備品の下限が30万から40万円へ訂正付きR8大綱に明記。適用開始日は附則を見ておらず未確認。国税庁No.5434はまだ30万円の表記のまま。
C3販売開始が機械10年・工具5年・器具6年・建附14年・ソフト5年以内、年平均1%向上補足あり手引きp.3。工具は測定工具・検査工具に限る。
C4控除10%、上限は法人税額の20%、1年繰越正しい国税庁No.5434。20%は投資促進税制の控除と合算した上限。
C5取得後60日以内なら救済訂正付き「受理」ではなく、申請書が行政庁に到達すること(Q&A共-33)。
C6申請先は地方運輸局(九州は九州運輸局)正しい本社所在地を管轄する地方運輸局。九州は自動車技術安全部整備課。
C7整備機器の証明書はJASEAだけ誤りリスト53は5団体(日本機械工業連合会・日本計量機器工業連合会・日本産業機械工業会・日本産業車両協会・JASEA)。日本自動車機械器具工業会(JAMTA)は0件。
C8塗装ブースは日本産業機械工業会訂正付きリストは製品名でなく「設備の種類」で並ぶ。BP工場のブースは「53 自動車整備業用設備」の枠に入る。発行団体は5つで、産機工と決め打ちする根拠は無い。
C9構築物・車両は対象外補足ありE類型では建物も対象になるが、売上高100億円超を目指す企業向けで、通常の加盟店には関係しにくい。
C10中古・貸付・事務用・福利厚生は対象外正しいQ&A共-2に自動車整備業の作業場の例示あり。
C11据付費は取得価額に含む。補助金は圧縮後で判定正しいQ&A共-6・共-7。
C12所有権移転外リースは控除のみ正しい国税庁No.5434。
C13400人超の除外は少額特例の話正しい経営強化税制ではない。従業員400人以下なら無関係。
C14太陽光は売電2分の1超で対象外正しい手引きp.2の注記。
C15投資促進税制も2027年3月31日補足あり7%控除は資本金3,000万円以下のみ。
C16少額特例は40万円未満・年300万円・3年延長正しいR8大綱。
C17同じ資産で複数の特例は不可正しいQ&A共-16。設備が違えば組み合わせてよい。
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Sources

出典