0. このマニュアルの使い方
- 本書は、シューリーズ加盟店に共通する受付(電話・来店・ネット問い合わせ)の標準手順書です。受付の質は受注率に直結します(実績のイメージは見積マニュアル第1章 1-3《参考例》参照。高い受注率は初期対応の質で支えられています)。
- 新人はまず第1章〜第5章を通読し、電話応対スクリプト(第3章)を声に出して練習してください。以降は現場で必要な章を拾い読みしてください。
- 金額・台数・営業時間などの具体値は各店の設定に従います。清田自動車(運営中核店)の実値は《参考例》囲みで示します。
- 本文中の
> 📷【画像挿入】の行は、後日画像を差し込む箇所です。 - 表記の統一:「鈑金」(「板金」とは書かない)。
- 見積の中身(金額の作り方)は姉妹編「鈑金塗装見積もりマニュアル」を参照。本書は「お客様との接点」を扱います。
各店で設定・調整する項目一覧(導入時に必ず埋める)
| # | 項目 | 自店の設定値(記入欄) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1 | 営業時間・定休日 | ______ | 電話応対で必ず案内 |
| 2 | 代車の台数・車種構成・輸入車対応車種 | ______ 台 | 第7章 |
| 3 | 代車の貸出条件一式(任意保険・免責・運転者条件・給油・期間等) | ______ | 第7章 7-2 |
| 4 | 見積料の有無・金額・費用区分(全損時等) | 有 ・ 無 / ______ 円 | 第10章 |
| 5 | 受付票・予約台帳の様式(紙/システム) | ______ | 第8章 |
| 6 | 電話の名乗り(店名の言い方) | ______ | 第3章 |
| 7 | クレーム・難対応のエスカレーション先 | ______ | 店長/代表など(第11章) |
| 8 | 写真・個人情報の保存先と権限 | ______ | 第12章 |
| 9 | ネット問い合わせへの返信目安時間 | ______ 時間以内 | 第2章 |
| 10 | 入庫予約の1日受入上限(工場と合意した目安) | ______ 台/日 | 第8章 |
| 11 | キャンセル料・部品発注後キャンセル・長期未引取保管料の規定 | ______ | 第8章 8-4 |
第1章 受付の役割 ― 受注率は受付で決まる
1-1. 受付は「シューリーズの第一印象」
- お客様が最初に接するのは、職人でも見積担当でもなく受付です。電話の第一声・来店時の挨拶・ネット問い合わせへの返信速度が、そのままシューリーズの印象になります。
- キズ・ヘコミ修理のお客様の多くは初めての来店で、相場も流れも知らず、不安です。受付の仕事は「不安を安心に変えて、見積までつなぐこと」です。
1-2. 受付のゴールは3つだけ
- 必要な情報を漏れなく聞き取る(第5章のヒアリング項目)
- 次のアクションを必ず確定する(来店日時・入庫日・折り返し期限のいずれか。「またご連絡ください」で終わらせない)
- シューリーズの強みを一言添える(無料代車・永久保証書・専門店の早さ)
1-3. 受付が受注率を左右する理由
- ネット経由のお客様は複数店を同時に問い合わせて比較しています。返信・折り返しが早い店、対応が感じよく具体的な店が選ばれます。
- 「早い・安い・保証」というシューリーズの強みは、受付が口に出して初めてお客様に伝わります。
第2章 問い合わせ経路別の対応
2-1. 経路は3つ
| 経路 | 特徴 | 対応の要点 |
|---|---|---|
| ① ネット問い合わせ(シューリーズ広告経由) | 個人客の主要入口。比較検討中。写真付きの問い合わせも多い | スピード最優先。各店設定の目安時間内に一次返信し、来店(現車確認)予約に誘導 |
| ② 電話 | 高齢層・急ぎ・保険事故直後など | スクリプト(第3章)に沿って聞き取り、来店予約へ |
| ③ 飛び込み来店 | その場で決まりやすい最重要接点 | 手が塞がっていてもまず声かけ。来店受付フロー(第4章)へ |
2-2. ネット問い合わせ対応の標準
- 一次返信はテンプレートで速く、ただし1行は必ず個別内容(車種・損傷への言及)を入れる。全文コピペは見抜かれます。
- 写真が添付されていれば、概算レンジ+「正確には現車確認で」をセットで返す。金額に一切触れない返信は比較で負けます(金額の作り方は見積マニュアル第11章)。
- 必ず来店予約の候補日時を2〜3提示して締める。
一次返信の文例(写真あり) 「お問い合わせありがとうございます。シューリーズ◯◯店です。お写真拝見しました。◯◯(車種)の◯◯(部位)のキズですね。同程度の修理ですと概算◯〜◯円ほどのケースが多いですが、正確なお見積りは現車を拝見して無料でお出しします(所要15〜30分)。修理にはシューリーズの永久保証書をお付けします。今週ですと◯日◯時、◯日◯時が空いております。ご都合いかがでしょうか。」
- 返信目安時間(各店設定)を超えそうな場合は、先に「確認して◯時までにご連絡します」の一報だけでも返す
2-3. 飛び込み来店
- 作業中でも30秒以内に声かけ(「いらっしゃいませ。すぐ参りますので、こちらでお掛けください」)。放置が最大の機会損失。
- 現車がその場にあるのが飛び込みの強み。できる限りその場で損傷確認→概算提示まで進める(見積担当・工場責任者に即時連携)。
第3章 電話応対スクリプト
3-1. 基本の型(一次受付)
受電:「お電話ありがとうございます。シューリーズ◯◯店の◯◯です。」
用件確認:「お車のキズ・ヘコミのご相談ですね。ありがとうございます。差し支えなければ、お車の車種と、キズの場所を教えていただけますか?」
共感を一言:「それはご心配でしたね。」/「ぶつけられたとのこと、大変でしたね。」
来店誘導:「正確なお見積りは、お車を拝見して無料でお出ししています。15〜30分ほどで概算までお伝えできますが、ご来店のご都合はいつ頃がよろしいですか?」
3-2. 見積予約の受け方
「では◯月◯日◯時にお待ちしております。当日は車検証をご用意ください。お名前とお電話番号をお伺いしてもよろしいですか?」
- 日時・氏名・電話番号・車種・損傷部位をメモし、受付票/予約台帳に転記
- 所在地・駐車場の案内(初来店の方には目印も)
- 「保険を使うか迷っている」と言われたら:「どちらが良いかも含めてご相談に乗れますので、そのままお越しください」(電話口で等級の損得を断定しない。第6章)
3-3. 入庫日調整・代車確認
「修理のお預かりは◯日〜◯日を予定しています。無料の代車をご用意できますが、ご入用ですか?」 「オートマ・◯人乗りでよろしいですか?チャイルドシートは必要ですか?」
- 代車要否・希望条件を確認し、代車台帳で在庫を仮押さえ(第7章)
3-4. よくある電話パターン別の返し
| パターン | 返し方 |
|---|---|
| 「電話で金額だけ教えて」 | 「概算でしたら◯〜◯円ほどのケースが多いですが、キズの深さで大きく変わります。現車を拝見すればその場で無料で正確にお出しできます」 |
| 「今日見てもらえる?」 | 空きがあれば即受け。無理なら「本日は◯時なら」「明日◯時なら」と必ず代替案を2つ出す |
| 「他より安くなる?」 | 「専門店として適正価格でお出しし、永久保証書をお付けします。まずは無料見積で比べてください」(電話口で値引きを約束しない) |
| 事故直後で動揺している | 「お怪我はありませんか?」を最優先。→ 安全確保 → 保険会社への事故連絡の有無を確認 → 入庫・レッカーの段取りへ |
| 営業・勧誘電話 | 「担当者に申し伝えます」で切り上げ、管理者に回す |
第4章 来店受付フロー
来店対応は次の7ステップです。順番を崩さないこと。
① 挨拶 → ② 用件確認 → ③ ヒアリング(受付票) → ④ 損傷確認の立会
→ ⑤ 見積案内 → ⑥ 代車・納期案内 → ⑦ 次アクション確定・お見送り
ステップ① 挨拶
- 立ち上がって「いらっしゃいませ、シューリーズ◯◯店へようこそ」。お客様より先に声を出す。
ステップ② 用件確認
- 新規か、予約来店か、納車引取か、既存案件の相談かを最初に確認して動線を分ける。
ステップ③ ヒアリング
- 受付票(第5章)に沿って聞き取る。車検証を預かり、車両情報は車検証から転記する(聞き書きは間違いの元)。
ステップ④ 損傷確認の立会
- 必ずお客様と一緒に現車の前へ。指差しで損傷箇所を確認し合う。
- このとき、依頼箇所以外の既存キズも一緒に確認して受付票に記録する(「入庫時からあったか」の後日トラブルを防ぐ)。
- 写真撮影の同意を取り、標準セット(見積マニュアル第4章)を撮影。
ステップ⑤ 見積案内
- 「これから拝見して、◯分ほどで概算をお出しします」と所要時間を先に伝える。待合の案内・飲み物など各店のおもてなし基準に従う。
- 概算提示時は見積担当と同席し、永久保証書・納期・代車をセットで説明(見積マニュアル第11章のトーク)。
ステップ⑥ 代車・納期案内
- 入庫候補日と代車の可否を具体日で提示(第7章・第8章)。
ステップ⑦ 次アクション確定・お見送り
- 「入庫日確定」「◯日までに返答待ち」「◯日に当店から確定見積連絡」のいずれかを必ず言葉にして終える。
- お見送りは車が出るまで。最後の印象が口コミ・リピートを作ります。
受付時の安全注意(事故車・EV/HV)
事故車・警告灯点灯車の受付では、接客より先に安全を確認します。
- 走行可否を受付が断定しない。「このまま乗って帰れますか?」と聞かれても、損傷状態の判断は工場責任者に確認してから回答する(足回り・冷却系・エアバッグ関連は特に)。
- 警告灯が点灯している車は、そのまま帰さず工場責任者の確認を仰ぐ。
- ハイブリッド/EVで駆動用バッテリー・高電圧部位の損傷が疑われる場合(床下ヒット・冠水・バッテリー付近の変形)は、むやみに触れず、屋外の隔離スペースに保管し、有資格者・工場責任者の指示で扱う(熱暴走・感電のリスク。時間差で発火する事例がある)。
- 事故車は燃料漏れ・オイル漏れ・異臭の有無を確認する。漏れ・異臭がある場合は屋内に入れず、責任者へ即報告。
- HV/EVかどうかは受付ヒアリング(第5章)で必ず確認する。
第5章 ヒアリング項目(受付票の標準項目)
受付時に以下を確認します。太字は受注判断・見積に直結する必須項目。
車両情報(車検証から転記)
- 車種・型式・年式(初度登録)
- 車台番号
- ハイブリッド/EV等の高電圧車両か(事故車の場合は第4章の安全注意へ)
- カラー(カラーコードは現車のコーションプレートで確認)
- 走行距離
- 車検満了日(車検が近い場合は同時入庫の提案材料にもなる)
- 過去の補修歴(分かる範囲で。再塗装部の色ずれ等の説明に必要)
損傷・依頼内容
- 損傷箇所(複数あればすべて)
- 事故によるものか否か(事故の場合:事故日時・場所・事故状況=どこをどうぶつけたか・相手方の有無と連絡先・警察届出の有無)
- 警告灯の点灯の有無(点灯車は第4章の安全注意へ)
- 自走可否・レッカー要否(自走不可の場合:現在の車両保管場所)
- 依頼範囲(直したい箇所/今回は直さない箇所)
- 既存キズ(依頼外)の有無と位置 ※立会確認して記録
保険・支払い
- 保険使用の有無(使う/使わない/迷っている)
- (保険使用時)保険会社名・証券番号・事故受付番号・担当代理店(第6章)
- ローン・リース車か(所有者=ローン会社等の場合、承諾・手続が必要なことがある)
- 法人名義・使用者が車検証と異なる車か(発注権限者・請求先を確認)
- 支払い方法の希望(現金・カード等、各店の対応に従う)
希望条件
- 希望納期(「◯日までに必要」の有無。旅行・車検等の予定)
- 代車の要否・希望条件(AT/人数/チャイルドシート等)
- 仕上がりへのこだわり(新品部品交換など仕上がり重視か、費用重視の部分補修容認か)
連絡先
- 氏名(フリガナ)・電話番号
- 連絡のつきやすい時間帯・希望連絡手段(電話/SMS/メール等)
- 来店きっかけ(ネット広告/紹介/通りがかり/リピート)※販促分析用
第6章 保険案件の受付
6-1. 追加で確認する項目
- 保険会社名・証券番号・事故受付番号(保険会社への事故連絡が済んでいるか)
- 事故日時・場所・事故状況(どこをどうぶつけたか。損傷との整合確認と協定資料に必要)
- 相手方の有無と連絡先(相手のある事故の場合)
- 契約者とお客様(運転者)の関係
- 相手のある事故か(相手方保険での修理か、自車両保険か)
- 代理店の担当者名(分かれば)
- アジャスターの立会予定の有無
6-2. 事故連絡がまだの場合
「まず保険会社の事故受付(証券やアプリに記載のフリーダイヤル)へご連絡いただき、『修理はシューリーズ◯◯店に出します』とお伝えください。修理内容・損傷写真・お見積り資料のご説明は当店が説明窓口として保険会社に対応いたしますので、ご安心ください。なお、ご契約内容・過失割合・お支払いの可否・等級への影響については、保険会社さん・代理店さんに直接ご確認をお願いします。」
※当店が担うのは修理の技術的な説明(修理内容・写真・見積根拠)まで。示談交渉・過失割合・支払可否の交渉は保険会社とお客様(代理店)の間の話であり、当店が交渉を代理することはできません。この線引きを受付段階から明確に伝えます。
6-3. 等級・自己負担に配慮した言い回し
保険を使うかどうかは等級ダウンによる保険料増が絡むため、言い方を誤るとトラブルになります。
- 断定しない:「使わない方が得です」「絶対使うべきです」は言わない。
- 標準トーク:
「保険をお使いになると、一般的に等級が下がって以後の保険料が上がる場合があります。上がり幅はご契約内容によりますので、正確には保険会社か代理店さんにご確認ください。当店では、保険を使わない場合の自費のお見積りも無料でお出しできますので、両方を見比べてお決めいただけます。」
- 「迷っている」お客様には自費見積を先に出す(見積マニュアル第8章 8-5)
- 免責(自己負担)金額がある契約では、協定後に自己負担額を明確に伝えることを予告しておく
6-4. 保険案件で必ず押さえる「同意・説明」の節目
保険案件は工程が長く、節目ごとの同意を飛ばすと後で必ず揉めます。次の5点をその都度、記録を残して行います。
- 入庫の同意:お預かり(分解を伴う場合はその旨も)についてお客様の同意を得る
- 修理着手の同意:協定成立(または金額確定)後、内容・自己負担額を説明して着手の同意を得る。協定前に着工しない(見積マニュアル第8章)
- 追加損傷発見時:分解後に追加損傷が見つかったら、写真を撮り追加協定を取り、お客様にも金額変動を説明してから進める
- 協定外作業の自費同意:協定に含まれない作業(既存キズ修理・オプション作業等)は、自費であることと金額を説明し同意を得てから行う
- 最終負担額の説明:納車前に、免責・過失割合等によるお客様の最終負担額を必ず説明する(納車時に初めて金額を知らせない)
6-5. 受付段階でしてはいけないこと
- 保険金額・協定結果の見込みを断定して伝える(協定は保険会社との合意で決まる)
- 事故と無関係のキズを「一緒に保険で直せますよ」と案内する(不正請求。絶対禁止)→ 依頼外キズは自費見積として案内する
- 「免責分はサービスします」等、免責金額分の値引き・上乗せによる実質相殺を受ける・持ちかける(保険金の不正請求。絶対禁止)
断りトーク:「免責分を値引きやサービスで実質なしにすることは、保険金の不正請求にあたってしまうため、当店ではお受けできません。申し訳ございません。」 → 要望があった事実は必ず管理者へ報告する(受付で抱え込まない)
第7章 代車の案内・貸出手順
7-1. 案内の基本
- シューリーズ店の標準として代車は無料(台数・期間・貸出条件あり。各店設定)で案内します。「無料」を伝えるときは、条件があることも一言添えます。
- 電話・ネットの段階から「無料代車あり」を伝えることが来店動機になります。
- 保険案件の注意:無料代車は自費修理・業者案件などでのサービス案内です。保険で代車費用(レンタカー費用)を請求する場合は、有償の貸渡(レンタカー許可=わ/れナンバー)で現実に費用が発生していることが前提であり、無償で貸した工場代車の費用を保険請求することはしません(保険協定マニュアル第8章 8-1)。
鈑金塗装用に約20台の代車を保有。輸入車のお客様には車格・グレードに配慮した代車を優先的に充当(軽の代車しかないと輸入車オーナーの入庫ハードルが上がるため)。
7-2. 貸出条件(各店で規定し、約款・同意書に明記する)
以下の条件一式を各店で定め、貸出約款・同意書に明記したうえで、貸出時に口頭でも要点を説明します(冒頭の設定項目一覧 #3)。
| 条件項目 | 各店で決めて明記すること |
|---|---|
| 任意保険・免責 | 代車に付けている保険の内容(対人・対物・車両)と、事故時のお客様負担(免責額) |
| 運転者の年齢条件 | 保険の年齢条件に合わせた貸出可否(例:21歳未満不可等) |
| 運転者の限定 | 同意書に記載した本人以外の運転可否(家族運転の扱い) |
| 給油ルール | 返却時の燃料(例:貸出時と同程度で返却) |
| 貸出期間・延長 | 原則修理期間中のみ。納車後の継続使用・延長時の連絡ルール |
| 喫煙・ペット | 禁煙・ペット同乗の可否と、違反時の清掃実費の扱い |
| 交通違反・駐車料金 | 反則金・放置違反金・駐車料金・通行料はお客様負担であること |
| 車格 | 車格・グレードの保証はないこと(配慮はするが約束しない。7-4参照) |
7-3. 貸出手順(標準)
- 在庫確認・仮押さえ:入庫日で代車台帳を確認し、車両を割当て
- 条件確認:AT限定・乗車人数・チャイルドシート・喫煙可否など
- 書類:運転免許証の提示・確認(コピー/撮影の扱いは各店の個人情報規程に従う)。貸出約款・同意書(7-2の条件を記載したもの)に署名
- 車両確認:貸出前にお客様と一緒に代車の既存キズを確認・記録(返却時トラブル防止)
- 説明:7-2の条件の要点(免責・給油・禁煙・運転者限定)、事故時の連絡先
- 返却時:一緒に外装確認→燃料確認→忘れ物確認
- 代車の任意保険の内容(対人対物・免責)を店として把握し、事故時の自己負担ルールを約款に明記しておく(7-2・各店設定)
7-4. 輸入車のお客様への配慮
- 可能な範囲で上位クラスの代車を割当てる。難しい場合は正直に伝え、入庫日の調整で対応する。
- 「代車が理由で入庫をやめる」ケースがあることを受付は意識しておく。
第8章 入庫〜納車の予約・スケジュール管理
8-1. 基本ルール
- 予約は一元管理(予約台帳/システムは各店設定)。個人のメモ・口約束で止めない。誰が見ても今日の入庫・納車・代車の動きが分かる状態にする。
- 入庫の受入は工場と合意した1日上限(各店設定)の範囲で取る。詰め込みは納期遅延→信用毀損の起点になる。
8-2. 予約時に台帳へ入れる情報
- 入庫日時・納車予定日・代車割当て
- 案件番号(受付票・写真・見積と同一番号で紐づけ)
- 保険/自費/業者の別
- 部品手配状況(部品待ちの場合、入庫日は部品入荷後に設定するのが原則。先に預かると預かり長期化で代車も塞がる)
8-3. 納期連絡の標準
- 納期が遅れそうだと分かった時点で、遅れる前に連絡する(「連絡がない」が最大のクレーム要因)。
- 納車前日に確認連絡(納車時刻・支払い金額・支払い方法)を入れると、納車当日がスムーズ。
納期遅延の連絡例 「シューリーズ◯◯店です。お預かりの◯◯ですが、◯◯(理由:部品の入荷遅れ等)のため、納車が◯日◯時になる見込みです。申し訳ございません。代車はそのままお使いください。」
8-4. キャンセル・長期未引取の扱い(各店で規定)
キャンセル料の考え方 - 受付・予約段階のキャンセル:原則無料で気持ちよく受ける(次の機会につなげる)。 - 部品発注後のキャンセル:返品できない部品は実費をいただく場合があることを、発注前に必ず伝えて同意を得る。
発注前トーク例:「この部品は発注後のキャンセル・返品ができないため、発注してよろしいでしょうか。万一発注後にキャンセルされる場合は、部品代の実費◯◯円(税込)を頂戴いたします。」 - 作業着手後のキャンセル:着手分の実費。金額は管理者判断。 - いずれも事前に伝えていない費用は請求しない(見積料と同じ原則。事後請求は必ず揉める)。
長期未引取(納車連絡後、引き取りに来られない) 1. 電話・SMS等で連絡し、連絡した記録(日時・手段)を残す 2. 一定期間(各店設定。例:納車連絡から2週間)応答がない場合、書面で引取依頼と保管料の発生予告を通知する 3. 以降は各店規定の保管料を適用する(約款・掲示・受付時案内で事前に明示している場合のみ) - 実際の請求・処分等の対応に入る前に必ず管理者へ相談。法的手続が絡む場合は本部・専門家へ。
第9章 永久保証書の説明の仕方 ― 受注の決め手
9-1. 受付段階で必ず一度は口に出す
永久保証書はシューリーズの看板サービスです。受付が伝えなければ存在しないのと同じ。電話・返信メール・来店時のどこかで必ず一度は伝えます。
標準トーク 「当店はシューリーズ加盟店ですので、修理後に永久保証書をお付けします。塗装の色あせや剥がれなどが万一出た場合も保証する内容です。安さだけのお店との一番の違いはここだと考えています。」
9-2. 説明の注意
- 保証の対象・条件は保証書記載のとおりに案内する。口頭で対象を広げない(「何でも一生保証」ではない)。
- 保証対象外の修理方法(簡易補修等)を選ばれた場合は、保証が付かないことを受付段階で明確に伝え、受付票に記録する。
- 納車時に保証書を必ず手渡し、保管をお願いする(納車時の説明まで受付の仕事)。
第10章 見積料が発生し得る場合の事前告知(全損対策)
10-1. なぜ受付で告知するのか
- 大きな事故の見積は分解を含む数時間の専門作業ですが、全損判定になると工場の見積作業は無報酬になりがちです(詳細は見積マニュアル第10章)。
- 対策の核心は受付段階での事前告知と書面同意です。事後に請求すると必ず揉めます。先に伝えれば、トラブルも丸損も防げます。
10-2. 告知の対象と標準トーク
対象の目安(各店判断):損傷が大きい事故車/高額修理が見込まれる車/経年の輸入車(時価下落・部品高で全損判定になりやすい)
標準トーク(受付時) 「お見積りには分解を伴う詳しい調査が必要になる場合があります。修理をご依頼いただいた場合、お見積りは無料です。ただ、保険の判定が全損(修理せず金銭でのお支払い)になった場合に限り、見積料として◯◯円を頂戴する場合がございます。あらかじめご了承いただけますか?」
- 了承を得たら書面(同意書・受付票の署名欄)で同意を取り、記録する(日時・担当者)。口頭告知のみでの請求はしない
- 費用の区分(分解診断料/見積書作成料/復元費/保管料)・税込金額・発生時点・請求先は、見積マニュアル第10章 10-3の書面項目に従って明示する
- 分解前の概算見積は無料、分解後の詳細見積から有料、という線引きの店はその旨を説明
- 見積料の有無・金額は各店設定。告知していない案件で事後請求しない(絶対ルール)
第11章 クレーム・難対応の一次対応
11-1. 一次対応の三原則
- まず聴く・謝るのは「不快にさせたこと」:「ご不快な思いをさせて申し訳ございません」は言ってよい。非を認める言葉(「当店のミスです」)や補償の約束は一次対応では言わない。
- 安請け合いしない:再修理・値引き・弁償の判断は必ず管理者/代表。「私の一存では決められませんので、責任者から◯時までにご連絡します」と期限を切って引き取る。
- 記録する:日時・お客様・内容・こちらの回答を受付票/案件記録に残す。写真があれば撮る。
11-2. パターン別
| パターン | 一次対応 |
|---|---|
| 仕上がりへの不満(色味・肌) | 現車をお預かりまたは来店予約→工場責任者が現認。保証対象かは保証書基準で判断(受付は判定しない) |
| 納期遅延への怒り | 事実確認→お詫び→新納期を責任者確認のうえ回答。代車継続を案内 |
| 「入庫時になかったキズがある」 | 受付時の立会記録・写真を確認(第4章④が効く場面)。記録を基に責任者対応へ |
| 金額への不満(聞いていない等) | 見積書・受付票の記録を確認。記録がない口頭案内が原因なら管理者へ即エスカレーション |
| 威圧的・過大な要求 | 一人で対応しない。責任者に交代し、複数名で対応。不当要求は毅然と(各店のエスカレーション先へ) |
- クレームはチェーン全体の看板に関わります。深刻案件(保証・事故・不当要求)は各店から本部への報告ルールに従ってください。
11-3. 反社会的勢力・不当要求への一次対応
- 一人で抱えない。恐怖・威圧を感じたら、その場で結論を出さず責任者に交代する(これは「逃げ」ではなく手順)。
- 次は「クレーム」ではなく不当要求として扱います:土下座等の強要/「誠意を見せろ」等の曖昧な金品要求/長時間の居座り・大声・器物への八つ当たり/SNS拡散や口コミ低評価の示唆による金銭要求。
- 対応の基準:
- 複数名で対応し、日時・発言内容を記録する。録音は各店の運用に従って実施(店頭掲示等の準備も各店で)。防犯カメラの録画保存を確認
- 要求には即答しない。「社内で検討のうえ回答します」で持ち帰る(その場の署名・支払いは絶対にしない)
- 暴力・脅迫・退去要請に応じない居座りは、警察(110番または最寄署の相談窓口)への相談・通報をためらわない
- 反社会的勢力と判明・強く疑われる場合は、約款・契約書の暴力団排除条項に基づき取引をお断りする。判断は代表・管理者が行う(受付は判断しない)
- 深刻案件は本部へ報告する(各店の報告ルールに従う。1店の対応がチェーン全体に波及するため)
第12章 個人情報・写真の取り扱い
- 受付票・車検証コピー・免許証情報・写真(ナンバー・車台番号を含む)はすべて個人情報です。
- 保存は各店の定めた場所(施錠棚/権限付きフォルダ)のみ。私物スマホに残さない(業務端末で撮影し、案件フォルダへ保存後に端末から削除)
- 車検証・免許証は必要な範囲のみ複写し、目的(受付・代車貸出)以外に使わない
- 修理事例としての写真活用(SNS・ホームページ・店内掲示)は、お客様の同意を得て、ナンバー等を隠した上で行う。同意は受付票のチェック欄で取る
- カウンターに受付票・車検証を置きっぱなしにしない(他のお客様から見える状態はNG)
- 電話での問い合わせに、本人確認なしで修理内容・個人情報を答えない(家族を名乗る場合も慎重に)
- 利用目的を明示する:取得した個人情報は「受付・見積・修理・保証対応・入庫や納車のご連絡」のために使う。それ以外(販促等)に使う場合は同意を得る
- 保存期間と廃棄方法を各店で定める(例:保証対応のため◯年保存。紙はシュレッダー、データは復元不能な形で削除)
- 第三者提供・委託:保険会社・外注先(エーミング外注等)への提供は業務に必要な範囲のみ。それ以外の第三者提供は本人同意がない限り行わない
- 漏えい(紛失・誤送信・誤交付を含む)時は、直ちに管理者→本部へ報告し、本人への通知と個人情報保護委員会への報告要否を判断する。隠さない・遅らせないが鉄則
- 私用LINE・私用メール・私物スマホでお客様情報・写真を送らない(業務用の連絡手段・端末のみ使用)
第13章 受付完了チェックリスト
新規受付(見積来店)完了時
- 受付票の必須項目(第5章の太字)がすべて埋まっている
- 車両情報は車検証から転記した
- 損傷箇所をお客様と立会確認し、依頼外の既存キズも記録した
- (事故の場合)事故日時・場所・事故状況・相手方の有無と連絡先を記録した
- (事故車・警告灯点灯車・EV/HV)第4章の安全注意に従って確認・対応した
- 写真の標準セットを撮影し、案件番号に紐づけて保存した
- 保険/自費/迷い中の別を確認した(保険なら第6章の項目も)
- 永久保証書について一度は説明した
- (該当時)見積料の事前告知をして、記録した
- 代車の要否・条件を確認した
- 次のアクション(入庫日/返答期限/連絡期限)が確定している
- 受付内容を見積担当・工場に引き継いだ
入庫受付(修理お預かり)完了時
- 確定見積の金額・内容にお客様が合意している(保険案件は協定済み or 進行状況を説明済み)
- 納車予定日を伝えた
- 代車の貸出手順(第7章)を完了した(同意書・キズ確認・ルール説明)
- 車内の貴重品確認をお願いした
- 予約台帳に入庫・納車・代車を登録した
納車時
- 修理箇所をお客様と一緒に確認した
- 永久保証書を手渡し、保管をお願いした
- 精算(金額・支払い方法)が完了した
- 代車の返却確認(キズ・燃料・忘れ物)を行った
- お見送りをした(車が出るまで)
付録 受付でよく使う言葉の言い換え
| 避けたい言い方 | 言い換え |
|---|---|
| 「できません」「無理です」 | 「◯◯でしたら可能です」「◯日以降でしたらお受けできます」 |
| 「安くしておきます」(独断) | 「内容とお値段は見積書で正確にお出しします」 |
| 「たぶん◯円くらい」 | 「同程度のケースで◯〜◯円が多いです。現車を拝見して正確にお出しします」 |
| 「保険を使わない方が得ですよ」 | 「保険料への影響は保険会社さんにご確認いただき、自費のお見積りと見比べてお決めください」 |
| 「全部保証します」 | 「保証書に記載の範囲で、しっかり保証いたします」 |
| 「板金」(表記) | 「鈑金」(チェーン統一表記) |
本マニュアルはシューリーズ本部の承認のもとで改訂されます。改善提案は各店から本部へお寄せください。